Raspberry PiでつくるLED行先表示器 ハードウェア編
LED行先表示器の製作記、ハードウェア編です。
ハードウェア構成
早速ですが、LED行先表示器のハードウェア構成図を以下に示します。
一部はんだ付けが必要な箇所はあるものの、基本的にすべて既製品の組み合わせなので、製作する上でのハードルはそれほど高くないと思います*1。
以下、主に使用したものを順に紹介していきます。
使ったもの
LEDマトリクスパネル
近年、デジタルサイネージ用途などで、フルカラーのLEDマトリクスパネルが安価に手に入るようになりました。その多くは「HUB75」と呼ばれる規格に準拠しており、パネルを複数枚連結して使用することができます。 E233系の側面行先表示器は128×32ドットのため、今回は64×32ドットのパネルを2枚つなげて使用しました。
また、同じドット数であっても、LEDの間隔(ピッチ)にいくつか種類があります。今回はコンパクトに収めたかったので、比較的小さな3mmピッチ品を使用しました*2。
なお、電源ケーブルや、パネル同士またはRaspberry Piと接続するためのフラットケーブルは、パネル本体に付属しています。
国内では秋葉原の店舗で8000~9000円/枚で販売されており、確実に良品を手に入れたい方はこちらをお勧めします。一方、AliExpressなどの海外通販サイトでは1500~2000円/枚と、圧倒的に安価で購入できます*3。ただし、輸送中の破損などに対しては基本的に無保証で、トラブルが発生した場合は英語で業者と交渉する必要があります。
ちなみに、私は国内の業者から2枚、海外の業者から8枚購入しましたが、どちらも特にトラブルはありませんでした。
Raspberry Pi 3 Model B
言わずと知れた教育用ボードマイコンです。Amazonなどで電源アダプタとのセットが購入可能です。
スペックや入手性を考えると3一択でしょう。他のモデルは試していませんが、LEDの制御はCPU負荷が高いので、Zeroなんかだと厳しいかもしれません。
なお、ストレージとしてMicroSDカードが必要なので購入の際はお忘れなく。
Adafruit RGB Matrix HAT + RTC
Raspberry PiからHUB75規格のLEDマトリクスパネルを制御するためのインターフェース基板。国内ではマルツ電波などで取り扱いがあります。
CやPythonのライブラリが用意されており、Raspberry PiからLEDマトリクスパネルを簡単に制御することができます。なお、コネクタ類はユーザがはんだ付けする必要があります。
RTC(Real-Time Clock)機能も搭載されていますが、今回は使用していません。発車標を作るときなんかに使うと便利かもしれません。
+5V電源
電源については、Raspberry PiとLEDマトリクスパネル共に+5Vを使用します。 どちらも消費電流が大きいので、適切な容量の電源を選定する必要があります。
Raspberry Pi 3は、5V 2.5Aの電源が推奨されています。私は本体とセットでラズベリー財団公式アダプタ(5.1V 2.5A)を購入しました。
LEDマトリクスパネルは、表示内容にもよりますが、64×32ドットで2A/枚が目安とされているようです。今回は2枚使用しますので、4A程度確保したほうがよさそうです。
電源はRaspberry PiからまとめてLEDマトリクスパネルに供給することもできますが、Raspberry Piにあまり大きな電流を流すのも少々不安なので、今回はそれぞれ別に供給することにしました。その場合、電源アダプタとLEDマトリクスパネル(の電源ケーブル)は、「DCジャック⇔スクリュー端子台」を介して接続することになります。
部品リスト
最後に部品リストを載せておきます。(価格は2018年1月現在)
だいたい15,000円程度で買い揃えられるのではないかと思います。
部品 | 数量 | 価格 | 主な入手先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
LEDマトリクスパネル(HUB75規格)3mmピッチ 64×32ドット | 2 | $30 | AliExpress | 国内で購入する場合は19,000円程度 |
Raspberry Pi 3 Model B | 1 | 5,940円 | Amazon | 電源アダプタとのセット価格 |
MicroSDカード(16GB) | 1 | 1,500円 | Amazon | |
Adafruit RGB Matrix HAT + RTC | 1 | $25 | マルツ電波 | はんだ付けが必要 |
電源アダプタ(5V4A) | 1 | 1,000円 | 秋月電子通商 | 標準DCプラグ(2.1mm) |
電源アダプタ(5V2.5A) | 1 | - | - | Raspberry Piのセット品 |
DCジャック⇔スクリュー端子台 | 1 | 80円 | 秋月電子通商 | |
電源ケーブル(2コネクタ) | 1 | - | - | LEDマトリクスパネルの付属品 |
フラットケーブル(16ピン) | 2 | - | - | LEDマトリクスパネルの付属品 |
ハードウェア編は以上です。機器の接続などに関してはリクエストがあれば書こうかと思います。
次はソフトウェア編の予定でしたが、ボリュームが多くなりそうなので筐体編を先行させようと思います。
*1:むしろRaspberry Piの環境整備のほうが面倒かもしれない
*2:異なるピッチを使用しても特に問題はありませんが、後ほど別記事で紹介する筐体は3mmピッチを前提としていますので注意してください
*3:「p3 smd」などのキーワードで検索(pの後の数値はピッチを表す)